タイトル:雨の日も、晴れ男
著者:水野敬也
出版社:文藝春秋(2008年6月10日 第一刷発行)
こんにちは、Hitotsuboyaです。今回は初めて小説を紹介しました。小説って、紹介するのは難しいですね。内容について書いてしまうと、楽しみが半減、いやいやゼロになってしまう可能性がありますから。そこで、内容については、本の背表紙にあるあらすじを引用して載せます。
さて、いつものように、私の気に入った一文を紹介していきます。「どこに書いてあるかなぁ」といった、「ウォーリーを探せ」的な楽しみ方をしていだくのもいいかもしれません。
それでは、行きましょう!
今回は小説、特にエンターテイメント小説なので、ネタバレしては元も子もありません。ですので、二つだけ紹介します。
”私の辞書に『出世』という二文字はない”
アレックスの言い放った言葉です。いいですね!間違いなくナポレオンのあの名言をもじっているのですが、『出世』に興味はない、の中にはアレックスが「家族を愛している」ということが、込められている感じがして、くすっと笑ったと同時に心があたたまりました。
仕事をしていると「出世することこそ、家族を大切にすることと同義だ」と考えてしまうことがありました。実際、収入がなければ家族と一緒に過ごすこともできないのですから。でも、本当にそれが「家族を愛する」ことなのでしょうか。最近、考えてしまいます。私自身、当然一生懸命サラリーマンとして働いていますが、自分が大切だと思うものを大切にするための、本当の意味での「働き方改革」するべきなのかな、と最近よく思うようになってきました。歳かな(笑)
“つらいできごとを、いいできごとのようにかんがえた。”
実はこれは、ちゃんとした引用ではないです。あえて、微妙な引用の仕方をしました。気になる方は是非、実際に本を手に取ってみてください。
人生、つらいできごとはありますよね。さすがにアレックスのような「つらいできごと」は勘弁してほしいですが、感じ方の個人差はあるにしても、「ああ、つらいな。。。」と思うことは多々あると思います。それを「いいできごと」ととらえるなんて、まさに小説の世界だからでしょ、と思ってしまいます。でも、これが小説のいいところですよね。私はこの本を読んで、大げさかもしれませんが、「救われた気持ち」になりました。小説を読む効果って、こうやって現実離れした状況・お話を見せてくれて、それが実生活に何かしらの影響をもたらしてくれる、だからたまに小説を読みたくなるんです。
【おわりに】
単純に、面白かったです。とても軽く読むことができます。特に読書入門に最適ですね。あと、「エンターテイメント小説」とはまさにそうですね。くすっと笑えますし、ちょっと考えさせるところもあって、良い本だと思いますよ。ネタバレではないですが、最後まで一気読みした方がいいですよ。おススメです。
※あくまで私が私の目的で読んだ時の感想です。