タイトル:読書力
著者:齋藤 孝
このサイトでいくつか本の紹介をしていますが、私は実はそれほど本を読む方ではないのです。昔から「本を読む人」という姿がかっこいいなぁ~と漠然と思っていましたが、なかなか根気が続かなく、1冊の本を読み切れず挫折、ということが数知れず。そんな私ですので、「読書力」というこの本のタイトルを見て、中をよく見ずに購入しました。読んでみて、一言。
これはハウツー本ではない
まあ、よく考えてみれば、齋藤孝さんはハウツー本を書く方ではないですよね。そして岩波新書ってハウツー本というイメージではないですよね。
かかれていることはもっと根本的な「読書とは何か」「何のためにするのか」そして、読書が日本国に必要な理由といったことまで書かれていました。
この本では序、第1章「自分をつくる」、第2章「自分を鍛える」、第3章「自分を広げる」という4つの構成で書かれていました。ちなみに、「小説はダメだ」とか「哲学書を読むべきだ」とかそういうことが書かれているわけではなく、「書を読む」という行為の意義を教えてくれる一冊でした。
まあ、本の主旨とはあまり関係はないかもしれませんが、私が惹かれた一文を紹介します。
①“思考活動における素地をつくるもの”
思考力はすべての活動の基礎である、とも述べられていました。読書は思考力を鍛え上げるためにするものといっていいのでしょう。特に「新書」を読むことが有効だそうです。私は小説よりも新書が好きで、読むことがあるのですが、あまり効果が感じられませんね(笑)。私の本の読み方に問題があるかもしれません。まあ、長い読書生活(たぶん)で身に着けていきましょうか。
②“読み聞かせの効用”
ここを読んで、子供のころ、母親にピーターパンを読んでもらった記憶がよみがえってきました。読み聞かせは「読書の喜び」を教えてくれる入り口だ、と述べられていました。もう一つの効用として「イマジネーションを育てる」という点も挙げられていました。確かに耳でお話を聞いているというのは、文字を目で追うのとは違ったプロセスで頭の中に映像を思い描いていく感覚がありますね。本ではこの2点が述べられていましたが、私はもう一つ効用を思いました。それは「読み聞かせをしてくれた親との触れ合った」という思い出です。
③“相槌をより高度にしたものが「自分の言葉で言い換える」ということだ”
これは「読書力は、要旨を的確にとらえる力」であり、それを会話という場面では「相手の話の要点をつかみ、その要点を引き受けて自分の角度で切り返す」すなわち「脈絡のある話し方」に必要な力、という第3章で書かれていた言葉です。これは是非、身に着けたい!と思ったので抜き出しました。会話で「なるほど」、「そうですね」といった相槌の連発では「ホントに聞いてるのか?」と思われ、相手にとって失礼ですし、会話も弾みません。特に仕事などオフィシャルな場面では、大きな損失を生む可能性もあります。そのためにも読書から「要点を的確にとらえる力」を身に着ける必要があるのですね。
【終わりに】
読書と一言で言っても、小説を読むのか論文を読むのかで、全く違った効果が得られるということが、納得できました。しかもプラス効果として。ですので、皆さんも自信をもって読書生活を堪能していきましょう。
それでは。
※あくまで私が私の目的で読んだ時の感想です。
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