タイトル:持たない暮らし
著者:下重暁子
「シンプルに暮らす」というのは私の理想ですね。理想ということは、今できていないと白状しているようなものですが。そうそう理想通りには何事もいきませんよね。
この本は、いわゆる「ものを捨てましょう」という話ではなく、「シンプルな生き方とはどういうものか」というのを語ってくれています。人の生き方なんて、人それぞれですので、「シンプルな生き方って何?」と思った方は手に取ってみるといいと思いますよ。20代、30代の方々が読んでももちろんいいのですが、むしろ60代、70代ぐらいの方々に読んでもらえるといいのかな、と思いました。特に後半を。
さて、いつもどおり、私がピンときた文をいくつか紹介します。
“物を大切にすること”
「物を大事にする」ということは「物の命をまっとうする」ということだと、述べられていました。また、よいものを見る目を養う。そして選んだものを大事にする。そうすることで「持たないくらし」つまり「自ら選んで生活をシンプルにする」というくらしにつながっていくんですね。
旅は人生の縮図といわれる。そのたびをいかにシンプルに行動し、シンプルにコンパクトに荷造りするか、旅をしてみるとその人の生き方がわかる。
いかにさりげなく、シンプルに旅ができるか。旅は持たない暮らしへの試金石なのである。
最近は、出張にいくとき「あれも必要、これも必要」という状態が続いていました。この一文を読んで「あ、ちょっと旅に出てみよう」と思いました。もちろん、シンプルに。
結局わたしたちは、キカイによって効率化し、生み出した時間を無駄にしている
時間をかけてじっくり良いものをつくる。精魂込めてものごとを行う。そうすることの方が、使った時間に対して、生み出すものの価値が高いのではないか、という話でした。「時間の無駄」という言葉はよく使われますが、何をもって「無駄」とするかを考えさせられる一文でした。
自分にとって必要か必要でないかを決めるのは、自分自身の美学である
言い換えると、「自分の生き方だ」と書かれていました。自分で決めることで、自分の人生を自分のものとして生きる。それを失いかけているような気が、していました。だからこの言葉に目がいったのだと思いました。
【終わりに】
いかがだったでしょうか。物質的にも、精神的にもシンプルな生活に私は憧れていますが、現実なかなか遠いですね。こういった本を読みながら、人生のなかで少しずつ憧れのシンプルライフに向かっていければいいかなと、最後のページで思いました。
それでは。
※あくまで私が私の目的で読んだ時の感想です。